男性が大きな岩の上に立ち、腕を広げて景色を見渡す。背景には広大な山と夕焼けの空が広がる風景。

自分の思い描くプレイを再現する

【コンセプト】

理想のプレイ =

感覚 × 正確な動き × 再現性

パフォーマンスアップやコンディショニングのために、トレーニングやストレッチに取り組んでいる選手は多いかと思います

しかし、『骨や関節をどの方向に、どのように動かせば、自分のスポーツに最大限活かせるのか』 を説明できる選手は、どれほどいるでしょうか?

もちろん、筋肉に負荷をかけて強く・大きくすることも大切です

しかし、それ以上に重要なのは、

「自分が思い描いた動きのイメージや感覚を実際のプレーで再現できること」

だと考えています

理想の動きを再現する土台ができてはじめて、瞬発力や持久力といった競技特異的なトレーニングがより効果的にパフォーマンスアップへ繋がります

逆に、重りのない(もしくは軽い)状態で理想の動きができていないのに、高負荷のトレーニングを重ねても本来働いてほしくない筋肉が邪魔をし、パフォーマンスを低下させてしまう危険性があります

競技の中で、自分の身体を正しくコントロールし、意図した通りに動かす能力は欠かせない要素です

さらに、日本人は黒人や欧米人の選手と比べて、決定的に弱い(動かしにくい)部分があります

それは、

「伸展動作」の弱さ です

(※伸展…胴体・腕・太ももを後方に動かす動作、または肘や膝を伸ばす動作のこと)

解剖図も交え、説明します

腸骨の前面側〜大腿骨内側につく筋肉

主に大腿部(太もも)を持ち上げる作用を持つ

背骨から伸びてくる大腰筋と繋がり、腸腰筋を形成する

腸骨筋

骨盤と腰椎の断面図、臀筋が示されている

仙骨

背骨と連なり、背骨を下支えしている骨

骨盤の解剖模型、青色で示された髄液の排出孔と骨格の一部を含む

腸 骨

仙骨に左右の腸骨が連なり、骨盤の一角を形成している

骨盤の図で、右側の仙骨の一部が青色で強調されている。

仙腸関節

仙骨と腸骨からなる関節(※赤丸部分)

骨盤と仙骨に挟まれた神経が赤くハイライトされている解剖学的なイラスト

腸骨筋の機能不全 が引き起こす弊害

  • 大腿骨が股関節に引き込まれる

    ↪︎股関節の詰まりが生じ、大腿前部(大腿四頭筋)の過剰使用と肥大が起きやすい

  • 腰椎の過剰関与

    ↪︎脊柱全体の均等な反りができず、腰(腰椎部)が過剰に反りやすくなり、腰痛を引き起こしやすい

  • 腰の位置が落ちる

    ↪︎歩幅が狭くなり、大きくダイナミックな動きの欠如&阻害

  • 股関節からの動きができず、膝がメインに動く

    ↪︎膝の不必要な消耗が起き、怪我の可能性が増す

  • ジャンプ機能の低下

    ↪︎股関節、膝関節、足関節のキネティックチェーンの繋がり不全

  • 脚で床を捉える(押せる)十分な床反力を得にくくなる

    ↪︎着地した脚の股関節で重さ(質量)を受けれなくなり、必要以上に重心が落ちる

  • (接触があるスポーツでは)当たり負けしやすい

    ↪︎(接触した際に)股関節に体重が乗れず、膝と足首で負荷を支えなければいけないため接触の負荷に対して、反発力が限定的になる

連動性の向上で得られる恩恵

(※複数スポーツに置き換えた考察)

陸上競技(走る種目) ポイント4点

①腰の位置を高く保つ

↪︎腸骨筋を長く働かせ、仙腸関節を高い位置に保ち続ける

白いTシャツを着た男性が横向きに立っている。ラインと丸印で体の姿勢が示されている。

腰の位置が高いポジション

②着地時に最小限の落差幅にする

↪︎着地時は体重(質量)+重力が加わり、各関節で重さを分散して支えるので、少しの落ち幅は物理的に起きます

しかし、その落差幅を最小限に抑えることで沈む時間の無駄を防ぎ、前への推進力へと変換していく

白いTシャツとブラックのスポーツパンツを着た男性が片膝を上げてバランスを取っている姿。右手は拳を握り、左手は背中側に伸ばしている。イエローの矢印と点線が腰と脚の位置を示している。背景は白い壁と木の床。

脚を真下に着地し、腰の位置を高く保つことで最小限の落差幅にする

長距離走の女性ランナーがスタートしている写真。黄色の点線と矢印で体の動きと腕と脚の運動を示している。背景に青空とスタジアムの照明塔が見える。

③(重心移動を伴いながら)股関節伸展動作を使う

↪︎②の着地足から、次の足が入れ替わる際に重心を前方に移動しつつ支持脚が後方へ伸びていくイメージで股関節 伸展を伴わせる

アリソン・フェリックス選手

世界陸上、オリンピック併せて女子最多の13個の金メダルを獲得

④放物線を描くように走る

↪︎空中にいながらリラックスできると、無駄なエネルギー消費を抑えられる。

前に進むより、斜め上方向に(放物線を描くイメージ)飛ぶような感覚から、重力の作用で身体が落下していく中で、①からの動きを反復して進んでいく

放物線を描く電線の模擬図と、上に「放物線」と書かれた指示線

【理想のムーブメント】

アリソン選手の走りは、他に類を見ないほどに完成されています。

胴体を真っ直ぐ(やや前傾)に保ちながら、股関節の伸展動作が非常にスムーズに行われています。

脚は股関節から後方に蹴り出され、その後はコンパクトに前方へと戻される動きがとても効率的です。

通常、脚を大きく後方に動かすと腰が反りやすくなりますが、アリソン選手の場合はそのような動きがありません。

腰の位置が高く、腰椎の安定性がしっかり保たれながらも、脚の前後動作は大きくダイナミックです。

サッカー

〜ボールを蹴る時のポイント〜

①軸足から上半身を引上げ、蹴り足を大きく後方へ振り上げる

↪︎軸足から上半身を上に引上げ、蹴り足の股関節伸展動作を大きく行う

白いTシャツと灰色のパンツを着た男性がジャンプしている様子。足の動きと空中の姿勢を示す黄色と赤の矢印が描かれている。青いボールが床に置かれている。

②振り子のように足を動かす

↪︎股関節を支点に太ももが前方へ、踵(かかと)が臀部に近づき膝を折りたたむように前方へ

若い男性が室内で片足を高く上げてバランスを取っている。彼の足に赤と黄色の線と矢印が付けられ、筋肉や関節の動きを示している。
青いボールを足に置いてバランスを取りながらジャンプしている男性の姿。

③脛(すね)を前方へ振り上げボールを蹴る

↪︎2の振り子の動きの続きで、最後は膝を支点に脛を前方へ振り上げボールを蹴る

白いTシャツと灰色のズボンを履いた人が片足を上げてバランスをとる動作をしている。

④(振り上げた足の勢いで)上半身・下半身に捻転動作が生じる

↪︎動作を止めようとせず、流れるように自然と捻転動作が生じる

ジャンプしている男性の横からの側面写真。腰と腕の動きに矢印と曲線が示されている。

【理想のムーブメント】

フェデリコ・バルベルデ選手 ウルグアイ代表

現代サッカーにおいて最もシュートフォームが理想的、且つ強烈なシュートを打つ1人です。

股関節を軸に脚を後方へ振り上げ、軸足と前後に大きく脚を開く状況となっています。

ただ、アリソン選手同様に腰椎の過度な反りは起きていません。

そこから大腿→膝→脛の順で脚を前方へ運びながら効率的にボールへ力を伝えて強いシュートを打っています。

振り子のように脚をしならせることができるからこそ力強いシュートを打つことが可能となっています。

バレーボール:強く打点の高いスパイクを打つポイント4点

※随時更新中

お問い合わせは前ページの専用LINE、又は【CONTACT】フォームよりお願いいたします